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Diary August, 2008

 

07日Thu.

もう8月です。そして早いもので8月も一週間が過ぎました。

この台詞はいつも言っている気がします。 日々齷齪生き、計画通りに物事を進められていないことに対する危機感が、 この台詞を言わせているのでしょうか? このごろもまた弛んでいます。 最低限の仕事はこなしていますが、それではだめです。


map-makingとpower spectrum推定の話:

time-ordered data(=TOD): d_tとmap: s_p

d_t = A_{tp} s_p + \eta_t

で結ばれる。ここでA_{tp}はpointing matrixで、時刻tにpixel pを観測したことを表す。 普通ある時刻に観測できるのは一点なので、あるrowを見たときにゼロでない要素は一つだけである。つまりとてもsparse。 \eta_tはノイズで、

\langle \eta_t \rangle = 0,\quad \langle \eta_t^T \eta_t \rangle = N_{tt'}

に従うとする。このときmaximum likelihood(ML) solution: \hat{s}_pは、

\hat{s}_p = ( A_{tp}^T N_{tt'}^{-1} A_{t'p'})^{-1}  A_{t'p'} N_{t't''}^{-1} d_{t''}

となる。式で書けばこんな感じ。なんら、難しくない。power spectrumの計算に重要なnoise covariance matrixは

C_{N,pp'} =  (A_{tp}^T N_{tt'}^{-1} A_{t'p'})^{-1}

で得られる。

\hat{s}_pを得るもっとも大きな障害は、計算しなければいけない行列のサイズが大きいこと。 d_tは今や{\cal O}(10^{11})ぐらいだったり、s_p{\cal O}(10^6)とかなので、 積を計算するだけでも一苦労。まして逆行列を求めるのは大変。

そこでそれぞれの行列の特徴をうまく使って計算回数を減らす。

  • A_{tp}: very sparse
  • N_{tt'}: 対角行列+(1/fによるtime-time correlationなので、n_tに比べて十分みじかいn_\tauを考えればよい)。{\cal O}(n_t^2)\to {\cal O}(n_t n_\tau)
  • C_{N,pp'}=(C_{N,pp'}^{-1})^{-1}: 逆行列はCG法で解く。{\cal O}(n_p^3)\to {\cal O}(n_p^2n_{\rm iter})

でこの辺のうまいことをやってくれるのが、MADmap。 うまくやるとはいってもコンピュータのパワーはとても必要。NERSCとかでやりましょう。

分散メモリ型の並列化が重要。ScaLAPACKとか使えば、自分でも組める?MPI programigが肝。

以上から、mapが得られる。N_{tt'}がきちんと評価されているば、1/f noiseによるscan方向に伸びるノイズも綺麗に消せるはず。 N_{tt'}\delta(t-t')で近似した場合は、coaddedなmapになり、これは単なる平均を計算していることになる:

\hat{s}_p = [ A_{tp}^T A_{tp} ]^{-1} A_{tp}^T d_t  = N_{obs,p}^{-1} A_{tp}^T d_t

実験によっては1/f noiseはfilterで消してしまい、coadded mapを計算しているものもある。 そしてfilterによる効果を、Monte Carloシミュレーションにより求め(transfer function)補正したりする。 現状のQUIET pipelineも多分そう。

ML解を求めていれば、自然とnoise covariance matrixがでて来る。なので、是非ともML解を求めたい。 そこでN_{tt'}の計算。どうやる?

noise TODをFourier変換して周波数空間でpowerを求め(周波数空間では対角行列)、これを逆変換することで時間空間でのcovarianceが求まる。 これは分かる。でもnoiseのTODって?\eta_tを単独でもってくることはできるの? 空を見ていればCMBが入ってくるわけで。d_tをFourier変換することで代用?

WMAPの場合(参考):

  • preliminary sky mapを使って差し引きを行なったTODデータからautocorrelation functionを決定:
  • この関数を使ってN_{tt}(\Delta t)^{-1}を計算(「N(t') is the parametarized noise correlation function」とあるので「関数」。)。

・・・・・今日はここまで。



shiri.jpg

08日Fri.

cl_ns2048_lmax4096.png

cambl_{\rm max,scalor} = l_{\rm max,tensor}=4096迄計算。B-modeが途中でおかしい。 設定ミスったかな?

A Markov Chain Monte Carlo Algorithm for analysis of low signal-to-noise CMB data」の再現を試み始める。 pipeline作成(gibbs sampler型のlikelihood解析)の出発点ではある。

12日Tue.

今日は久しぶりに徹夜でした。

世間では北京オリンピックが開催されているらしいですが、まったく見ていません。 四年前は少しはTV見ていたからここまでではなかったが、今はTVがありませんので。

重要な結果はgoogle newsのトップにのるし、 変なことはいろんなところで取り上げられますし。

ns0128_lmax0256_fwhm40amin_map.gif
ns2048_lmax4096_fwhm5amin_map.gif

今日はさっさと寝て、明日早起きします。

腹減った・・・。

14日Thu.

徹夜してしまった!?

B_mode_polarization_map_with_NewSatellite_Planck_noise.jpg

腹減った・・・

19日Tue.

  • 組立作業が完了したハーシェル宇宙望遠鏡
    • ハーシェルはどうでも良いんだ!(<<暴言)Planckを出せ!
    • 今回、組み立て作業が完了した宇宙船は来年10月に仏領ギアナにあるESAの宇宙センターからアリアン5型ロケットを使って打ち上げられ、「L2(ラグランジュ2)」ポイントと呼ばれる軌道上に投入される予定。
      • 打ち上げが来年10月=2009年10月になってるんですが・・・。ハーシェルはPlanckと一緒に今年末に打ちあがるはずだったのに、やっぱり延期?。
    • L2ポイントは地球と太陽が常に同じ方向に向くため、太陽光を遮断するのに都合がよく、天体観測を行うのに最も適したポイントと考えられてきた。しかし、もちろん、L2ポイントに宇宙望遠鏡を投入するのは技術的障壁も多く存在するため、これまでに実際にL2ポイントに投入された宇宙望遠鏡(衛星)は存在せず、ハーシェル宇宙望遠鏡が世界初のL2ポイントに投入される宇宙望遠鏡となる予定だ
      • WMAPは「宇宙望遠鏡(衛星)」扱いではないんですね。
  • 「テクノバーン」は誤報・誤訳が多いサイトとして知られているそうです。元ネタをあたってみたいところです。
  • 10月はうそかも知れないがここやここを(用出典ですが)見ると、2008年中の打ち上げはなさそうです。

Cl_BB_ns_r_080819k.png

新学術で皆様忙しそうです・・・、ヒアリングです。これが通れば(3〜5年)未来の私のPD職の候補でもあるから是非とも通ってもらいたいですね。「絵」をかいて貢献はさせてもらっているので・・・。

  • 今年の7月の時点で、2009年2月打ち上げ、というのを聞きましたよ。 -- コマツ 2008-08-21 (木) 01:47:51
  • じゃあ、10月ってのは怪しそうですね。 -- 茅根 2008-08-21 (木) 22:27:04

20日Wed.

一応宣伝しておきます:

posA4.jpg

野辺山宇宙電波観測所(NRO)での一般公開でポスター出します。 「宇宙マイクロ波背景放射偏光観測で探る宇宙論コーナー」です。

KEKでCMB観測グループが立ち上がりました、という紹介です。


Universum.jpg

ダークエイジ、宇宙の晴れ上がり、インフレーションを知っている人間が見ると、 含蓄のある絵に見えてくるのは気のせいだろうか? そしてそれを「見る」人間は、 B-mode観測(を通してインフレーション期を見たいと思っている)を目指す我々を表しているように見える。


21日Thu.

昨日お伝えした「野辺山宇宙電波観測所」の一般公開ですが、 天気予報を見ると、天気悪そう。 ポスター展示だけなので特に天気は問題無いのですが、シンジが言っているように

雨の日は気分が憂鬱なので、晴れてもらいたい所。

KEK_QUIET_poster_for_NRO_080823_ver0.4.pngCMB_poster_for_NRO_080823_ver0.2.png

うえの出張の事務手続きの煩わしさにウンザリ気味(私の立場の特殊性が、手続きを複雑にしている)ですが、 海外出張が(ほぼ、多分絶対)決まりました。書類書きに精を出します、、、が「ここ」には秘書さんがいるので、 お願いしようかと思っています。

因みに、初海外。シカゴです。 で、シカゴ大学に遊びにいってきます。 早速スーツケースを買いにいきました。車を出してくださったH谷川さん、ありがとうございました。

旅費は此方で立て替えておく必要があります。 預金がすっからかんになる予定。

シカゴといったら・・・・「ER」。高校の頃、BSで毎週見てました。 グリーンが一回復活した所まで見てます。その後お亡くなりになったとか・・・、 ロケット・ロマノがどうなったとかは・・・知りません。


ここの日記にも書いていますが、 研究は自分としてやりたいこと・やれることは大体固まっており、それへ舵を取りつつあります。 不安材料もあります。 身近に議論・相談できる人間がいないことです。 人手も足りないです。考えていることを自分ひとりでやったら、単著の論文が三本?ぐらいかけそうですが、流石に重過ぎます。

なので、今回の出張を足がかりにして、他のメンバーとコラボしていきたいと考えています。 解析に興味があるPh.D studentがオスロから参加するそうなので、彼ともうまくやっていければと考えている。 ボスの話によると、この学生は「興味」で日本に一年間滞在したことがあり、日本語を話すらしいです。 日本に「興味」=「おたく」は短絡的過ぎますが、東北大学には前例があるので、いまから楽しみです。 仲良くなれそうです。

今現在、自分がQUIET collaboratorにどのように認知されているか分かってない。KEKにchinoneとかいう解析に興味を持っているやつがいるらしい。と伝わっているのが好ましいが、多分そうはなっていない。KEKには学生が1人いるらしい、ぐらい。可能な限り目立ちたい所。

コラボを進めていく上で、ネックとなるのは言葉ですね、やっぱり。 付け焼刃ですが、出国までに「少しは」まともになるように英会話の練習でもしておくつもり。

言葉の問題をどうにかして解決して、実りある出張にしたいです。


23日Sat.

野辺山宇宙電波観測所一般公開を無事終えることが出来ました。 観測所に来てくださった方、特に我々の「宇宙マイクロは背景放射偏光観測で探る宇宙論コーナー」に来てくださった方々、 一般公開を楽しんでいただけたでしょうか?

私のつたない説明で、なかなか理解しにくい話もあったかと思います。 申し訳ありませんでした。でも人一倍情熱を持って説明をしたつもりです。 皆さん一人一人の記憶に残る何かを伝えることが出来ていれば、私としては満足です。

本日は生憎の天気で、お客さんの足も重くなるかと予想されましたが、 そこは野辺山、晴れたときの一般公開にも引けをとらない人数が訪れていた気がいたします。

特に今日は気温が低く、半そでで行ったKEK組みは凍えていました(小屋の中では暖房を入れてしまいました)。 明日は風邪をひいているかもしれません。

この寒さを吹き飛ばすような、暑い方々のご来場もあり、こちらとしても色々楽しめました。 私としては、今後野辺山に行く機会はほとんど考えられないので、 最後の野辺山だったかも知れません。 日帰り出張でゆっくりと滞在することは出来ませんでしたが(そして天気も悪かったですが)、景色を心に刻み野辺山を後にしたのでした。


25日Mon.


28日Thu.

東京―シカゴの往復航空券を買ったら、全財産が吹っ飛びました。 旅費が支給されるのは10月頃だとか・・・。 東京―シカゴ往復で12,000マイルらしいですが「マイル」の取り扱いはどうなっているのでしょうか?>>海外出張している学生の皆さん

今日はすごい夕立があった。 夕食を食べに行ったらパンツの中までびしょぬれです(何時の、なんのCMだったでしょうか)。

KEK構内の道路があっという間に冠水してしまった。 で帰れなくなった。徹夜明けなのでさっさと帰ろうと思ったのだが・・・。

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