Diary September, 2010



 

[COSMO/CosPA四日目] 30日Thu.

最終日はXMASSから始まった。その後はLHCへ。 本会議で唯一の実験主導の話だったのではいだろうか?

今日は少しでも仕事ができる様に、午後のセッションの参加を見送り、KEKへ戻ることに。 皆様へのお土産と、とてもprettyなアイテムを購入@東京ドーム。


総合的に見て、COSMO/CosPAに参加したことは、大変意義があった。 国際学会での初めての英語での口頭発表は勿論、 理論家が今何に興味を持っており、どういったことをやっているのか垣間みることが出来た。 この辺の話は、最近とんと聞いていなかったので、良い刺激になった。

最も大きな課題は

  • 英語で世間話が出来る様になる必要がある
  • 東京の美味しい寿司屋、美味しい神戸牛を食べさせてくれる店を知っていなければならない
    • 「東京で美味しい寿司屋はどこだ?」「知らない。回転寿しでも十分うまいよ!」 << 学生には精一杯の回答。。。

ぐらいか。。。


[COSMO/CosPA参日目] 29日Wed.

今日の午後は、excursion。 午前最後にIPMUのボス、村山さんの話があった。 実はきちんとした講演を聴くのは、初めてだったりする。内容はSuMIReに関して。 でも、内容以上に感じたことがある(残念ながら、あまり観測の「具体的」なことには話されなかった。)。

この研究会まだ三日目ではあるが、気になったことがある。 それは、いろいろと「うまい」ことを考える人はたくさんいるが、 それが検証可能か、どういった観測量でテストできるか、それによれば現状の観測でどこまでのことが言えるのか、 実は既に棄却されているのか、といった所まで研究している人が少ない、ということ。

観測をやっている人間としては、そこまで考えてくれるとうれしいですし、より身近に感じられます。 (勿論、観測側も理解する努力はしなければなりません)

そんな中、村山さんは、理論家と観測家を繋ぐ「マネージャー」で在ろうとしているのを強く感じた。


研究会はまだと途中ですが、 個人的には、CMB B-modeを観測しtensor-to-scalar比を測定することで、 星の数ほどあるInflation理論をばっさばっさと峻別していきたい、と再認識させられた。


excursionは欠席。午後はさっさとホテルに帰ってお仕事。



[COSMO/CosPA弐日目] 28日Tue.

今日は私以外で、唯一CMB観測の話がある日。 Joanna DunkleyによるACTの最新結果と、羽澄さんによる日本でのCMB偏光観測の現状の話。 Dunkleyさんは、どちらかというと(バリバリ?)理論よりの人なので、(当然だが)宇宙論的な解析に焦点を当てた話であった。 具体的には、先日ここにも書いたこの論文に関するものであった。やっぱり結果が出ているといいですよね〜。

Dunkleyさんとは、研究会中に是非お話をしたい!


[COSMO/CosPA壱日目] 27日Mon.

本日無事に口頭発表を終えることが出来ました。 「寝ないで」聞いて下さった方は、本当に有り難うございました。 英語に関しては、問題はなかったと自分では理解している。 これが海外だったら違うのかもしれないが、それほど緊張することも無く話せたと。 次は、「海外」の「研究会」(or「学会」)当りで、QUIETの結果を話すことになるのでしょうか? (ヨーロッパ行きたいなぁ・・・)

・・・・

薄々感づいて掃いたが、正直場違いな発表になった感は否めない。 そもそも、COSMOは理論家の祭典ですし、CosPAが合わさったところで、 観測・実験側からの参加者はほとんど、全くいない! あと、東北大学からの参加者もいない!

参加者は、インフレーションを起こしてしまう方々ばかりだ! まぁそれはそれで、折角の機会なので理論側の現状を勉強していおこうと思う。


やはり知り合いと久しぶりに会って話すのは楽しいものだ。レセプションでは話してばかりでいた。 (そのせいで「あまり」食事が食べられなかった・・・) 以前からの知り合いを経由して新たに人と知り合う、それがこういった機会の最も重要な点なのかもしれない。

・ ・ ・

と、あまり積極的には人に話しかけない自分が言ったりしている。 同年代の方々では、以前から知り合いの方もいない訳ではないが、 どうも話す機会を逸してしまい「そういえばあの人はよく研究会で見かけるなぁ。Dとった頃かな。」とか思っていたりする。


実は昨日から東京入り。KEKの他の参加車の方々は通らしいです。 東北大学で(つくば-東京)手続きをしている私は、特に理由書を提出する必要も無く、宿泊出来ています。


26日Sun.

observing TauA animation~:

rotating_telescope_animation.gif

はっ、発表直前に何をやっているんだ俺は・・・(3D CADがあると簡単に作れたりするのだろうか?)。

・・・

明日発表です: COSMO/CosPA 2010, Monday afternoon Parallel session D (Rm 207, Science Bldg 1, 2F)



25日Sat.

quadrupole_thomson.png
quadrupole_thomson_d05.gif
quadrupole_thomson_d02.gif

  • あ、ちゃんと色がHOT=赤、COLD=青になってる。自分で作ったの?? -- コマツ 2010-09-26 (日) 01:52:48
  • yes. 「普通」はこっちの方が分かりやすいですよね。これ
    fig1.gif
    に比べて。赤=red shift、青=blue shiftは分かる人には分かりますが。-- チノネ 2010-09-26 (日) 13:48:58
  • いやね、これをやればいいことは皆分かっていたのですが、いわゆるポケモンショックがあったから自重してきたわけですよ。それをもうほとぼりが冷めてきたころだろうとあっさりとやってのけるなんて・・・素晴らしいです!ぜひ私にも使わせてください!! -- GOTO 2010-09-26 (日) 22:24:33

24日Fri.

COSMO/CosPA 2010でQUIET実験について、 (英語で)口頭発表をする訳だが、今日までに取り敢えず2回準備を通し練習を終えた。これで(質疑応答以外は)何とかなるだろう。

難しい、12分で喋るのは。喋る人間としてはあれもこれも喋りたくなるが、聞き手はそんなこと望んでいない。 自己だけが満足する様な講演は、最低の講演である。 一人でトラペを作っていると、ついつい独りよがりな内容になってしまう。 それを正す為に他人に実際に話してみて、意見を聞く必要がある。 トラペが洗練していない初期の頃は、ばしばしと意見が出る。 その時の自分は(例え意識はしないとしても)「自分の講演は完璧。ケチの付けようは無いはずだ。」と思い込んでいる訳だから、 他人の意見には素直には納得できない。 そんな時こそぐっとこらえて、真摯に耳を傾ける必要がある。 「そんなこと言うなら、あなたが作ったらどうですか?」は発表練習を見てもらった人ならだれでも思うことだが、 決して言ってはならないし、こんなことを思う時は、たいてい自分に非がある時である。

  • ぐさっ -- 2010-09-25 (土) 14:41:45
  • 練習しまーす -- GOTO 2010-09-25 (土) 14:42:42
  • 素直になりすぎて8割先生の内容になってしまったりします。。。(´・ω・`) -- しみず 2010-09-29 (水) 01:30:03
  • そうやって徐々に自分の発表も洗練されていくのです。 ・・・・多分。でも時には反発することも必要かも。・・・・多分。 -- チノネ 2010-10-01 (金) 01:48:05

23日Thu.

22日Wed.

よく当たる(・・・うそ(笑))Thomsonさんのノーベル賞受賞者予想 for 物理学賞:

  • For observation and explanation of the transmission of light through subwavelength holes, which ignited the field of surfaceplasmon photonics.
    • Thomas W. Ebbesen
  • For discoveries deriving from the Wilkinson Microwave Anisotropy Probe (WMAP), including the age of the universe, its topography, and its composition.
    • Charles L. Bennett
    • Lyman A. Page
    • David N. Spergel
  • For discoveries of the accelerating rate of the expansion of the universe, and its implications for the existence of dark energy.
    • Saul Perlmutter
    • Adam G. Riess
    • Brian P. Schmidt

WMAPと超新星爆発、どっちも宇宙論。


21日Tue.

ご当地アニメの大本命、ついに登場!?

茨城応援アニメーション「あぐかる

茨城ハジマッタな!(魔法少女ものか・・・)

agu_234-60_01.jpg

・・・・・・

どこかで見た絵柄だなと思ったら、 なつみステップ(解説(おすすめ!))の作者が、制作に参加しているようだ。


20日Mon.

なんと今日は「3連休」の最終日だそうだ。。。

雑記

少し遅いが、予算がついたLCGTについて:

がんばってほしい反面、内情を伺うといろいろ思うところがある。

また、この記事の最後に

現在の天文学は、宇宙誕生から約30万年間の様子を見ることはできない。
原始宇宙は素粒子だらけで、当時の光は粒子に邪魔されて真っすぐ進めず、
地球まで届かないからだ。しかし、重力波はあらゆる物質を素通りしてくるので、
「暗黒時代」の宇宙も映し出す。

国立天文台の藤本真克教授によると、原始宇宙から来る重力波の強さを調べることで、
宇宙が火の玉状態(ビッグバン)の直前に急膨張したとする「インフレーション理論」を検証できる可能性がある。
急膨張が終了してビッグバンが起きた時期が正確に分かれば、宇宙論の大きな前進だ。

一方、重力波が相対論の予言よりも弱かった場合は「革命」が起きる。空間は3次元ではなく、
実は人間には見えないミクロの「余剰次元」が存在する初の証拠になるからだ。
重力波の一部が余剰次元の空間にしみ出たと解釈でき、
宇宙は最大11次元だとする「ブレーン(膜)宇宙理論」が現実味を帯びてくる。

「そうなればノーベル賞がいくつあっても足りない大事件。
予想もしない物理学や天文学が生まれるだろう」と藤本教授。
人類の宇宙観は、重力波の発見で一変するかもしれない。

は、明らかにミスリーディングを狙っての確信犯の様に感じられる。(記者が曲解して載せた可能性もあるが。) この記事を読んだ人の多くは「LCGTで原始重力波が観測でき、宇宙初期に迫ることが可能である。」と読めるのではないだろうか?

なお、私の理解では「LCGTは、連星中性子系の合体からの重力波が検出可能であって、 インフレーション起源の原始重力波は、次の計画。」だと理解しているのだが、間違っているだろうか?

大型研究計画に関する評価について(報告)「大型低温重力波望遠鏡(LCGT)計画」「Bファクトリー加速器の高度化による新しい物理法則の探求」(pdf)の「LCGT 2内容」によれば、

アインシュタインが一般相対性理論で予言した重力波は、その存在は確実と
考えられているものの、まだ人類が検出していない重力の波動である。
(中略)
また、究極的には、宇宙初期のインフレーションなどを起源とする宇宙背景重力波も観測対象である。

とある。感度はどれぐらいなのだろうか?Omega_GW or rで知りたい。

。。。。。。

と、「CMB B-mode観測による原始重力波の検証」が報告書に盛り込まれず、その意義がまだまだ日本では認められていないのだなぁ、 と思っている院生が、愚痴ったり僻んだりしてみる。


19日Sun.

Justuce with Michael Sandel

最近話題の講義: http://www.justiceharvard.org/

社会哲学の講義を受講したことが無いので、とても興味深く見ている。 まぁ、半分しか(それも怪しい?)理解できないが、英語の勉強も兼ねているということで。

見ていて感じたことは、学生が発言を躊躇しないということ。 指名され、その場で思考しながら議論を進めていく。 完璧な回答を準備して挙手をしているのではなく、発言しながら考えをまとめ議論を進めている点が、 「(自分も含めて)日本人(学生)には見られない」点だと感じた。


18日Sat.

前者が正しい訳だが、外人でも間違っているので、彼らにもやはり紛らわしいことなのか、X:Yの様な表記は。 講演とか聞いていても、老若男女間違っているのは聞いたことある。

the ratio of X to Y
XのYに対する比。X:Yと書き、値としてはX/Yになる。
  • やっぱ数式最強ですよね。 -- しみず 2010-09-29 (水) 01:33:18
  • ミーティングで数式を書いて説明する時は「式で書いてあるから(口で)説明しなくていいんじゃね」とか思ってしまいますが、きちんと説明するのが筋なんだよね。で、数式を英語で言うときに、上の様に(scalar-・・と言ってしまう)混乱すると・・・。 -- チノネ 2010-10-01 (金) 01:52:49

17日Fri.

Sensitivity

exp/detector# of detectorsSens. Per Feed, uK s^0.5Array Sen, uK s^0.5
WMAP K-band2650460
WMAP Ka-band2780552
WMAP Q-band4920460
WMAP V-band41130565
WMAP W-band81480523
BICEP 100GHz2548096
BICEP 150GHz2442086
QUAD 100GHz12440127
QUAD 150GHz1939089
QUIET 40GHz1930070
QUIET 90GHz9055060

Likelihood


16日Thu.

早朝テレコン

をブッチしてしまったが、面白いことがあった。 なんと夢の中ではテレコンに参加していたのだった!ちなみにその時は、英語で夢を見ていた! なんだか(寝坊してテレコンをさぼった事実には変わりないが、)少し感激。


15日Wed.

金茶会(speaker: 家正則)

すばる望遠鏡から30m望遠鏡TMTへ
随分と、久しぶりに「天文」な講演を聞くことが出来た。 いろいろと面白かったが、なんと言っても以下が特に気になった:

direct_w.png

実際のところ、只のセールストークなのか(TMTの全部の時間を使ってやっととか)、 それとも現実可能なのかが気になるが・・・。

  • 秒速5センチメートル -- GOTO 2010-09-18 (土) 14:08:55
  • 「ねぇ、秒速50センチなんだって」 -- 明里 2010-09-18 (土) 17:46:15
  • 「え、なに?」 -- 貴樹 2010-09-18 (土) 17:47:06
  • 「測定できる恒星のスピード。秒速50センチメートル」 -- 明里 2010-09-18 (土) 17:47:39
  • 「ふーん・・・。明里そういうことよく知っているよね」 -- 貴樹 2010-09-18 (土) 17:51:38
  • 「ねぇ、なんだか、まるで雪みたいじゃない?」 -- 明里 2010-09-18 (土) 17:54:13
  • はっ、、、俺は何をやっているのだ・・・。 -- チノネ 2010-09-18 (土) 18:07:40
  • redshift driftの測定に関しては、CODEXという観測実験計画もあるようです。これを用いてlocal void modelを検証しようという仕事もあります。(arXiv:0909.4954)(蛇足:「ダークエネルギーの性質の測定」と言うときにボイドの話をするのはちょっとおかしく聞こえますが、「ダークエネルギーの性質」として、「宇宙項」「クインテッセンス」(細かく言うとfreezing quintessenceとかthawing quintessenceとか)だけではなく、「修正重力理論」とか(f(R)gravityとかDGPとか)、「実はボイド」という可能性もあるということだと考えることができます。) -- GOTO 2010-09-19 (日) 11:30:46
  • 新海誠全作品一挙上映会とかないのかなぁ -- GOTO 2010-09-19 (日) 11:34:11
  • ダークエネルギーと言えば、最近サイエンスZEROで「宇宙の未来を決める 暗黒エネルギー」が放送された訳だが、ちょっと見てみたいなぁ。。。放送の内容を見ると、どうも「よく知っている」皆様が出演しているようで。最近はクローズアップ現代でも「見えない暗黒物質を探せ」があった訳で。 -- チノネ 2010-09-21 (火) 01:32:04
  • 新海誠作品だと「雲のむこう、約束の場所」をまだみてないな。 -- チノネ 2010-09-21 (火) 01:50:28
  • まあ何が正しいかは実験(観測)してみないと分からないですよね。 -- GOTO 2010-09-21 (火) 20:20:53
  • 私は秒速5センチメートルが一番好きです。日常なので。その意味で、clannadはまだ見ていませんが期待しています(不思議な力とか出てきませんよね?) -- GOTO 2010-09-21 (火) 20:26:08
  • いえ別にダークエネルギーとか不思議な力とかがダメだと言ってるわけではないです(調べたらそれっぽいコメントを見つけてしまったので・・・予防線を張っておく -- GOTO 2010-09-21 (火) 20:33:28
  • いや、あれは平行世界ですよ・・・。あれ、これだと私がclanadを見たといってるみたいじゃね・・・。clannadは人生! -- チノネ 2010-09-22 (水) 17:07:29
  • これから見るのでネタバレしないでください>< -- GOTO 2010-09-23 (木) 15:58:48

14日Tue.

北九州空港

帰路:

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帰りは、鈴木機構長と同じ便だった。それ以外にも、見たことがある偉い先生方がいた様な。


18,000km

原付の走行距離が18,000kmを越えた。 この段階で13,000kmなので、 つくばに来てから5,000km走ったことになる。 5,000kmを762日で走った訳だから、1日あたり約6.6kmを走行したことになる。 アパート-KEK間がおよそ7kmであるから、ほぼ毎日往復している計算である。


ねこ

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13日Mon.

発表

無事終了。

最近CMBセッションが、身内の集まりになってしまっている。どうしたものか?


門司港

自分の発表後、河豚を食いに行く間での1時間半を使って、門司港レトロ or 門司港(北九州港)へ。尚、全然前知識無し:

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巌流島:

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河豚

初めての河豚:

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河豚は、食感を楽しむものだと理解した。


12日Sun.

日本物理学会に参加する為に、空路で北九州へ。 羽田空港への道のりでは、成田空港へのそれより若干疲れた。

  • 筑波大学循環バス
  • TX
    • つくば-秋葉原
  • 京浜東北線
    • 秋葉原-浜松町
  • 東京モノレール羽田線
    • 浜松町-羽田第一ターミナル
  • SFJ(ANA)
    • 羽田空港-北九州空港
  • 北九州空港エアポートバス
    • 北九州空港-小倉駅北口

最も、つくば-成田はバスで寝ていれば着いてしまうわけだが。 (重い荷物を持って行く必要がある海外出張でも、バスに乗ってしまえばよい。これはすごい利点。)


羽田空港

今後は羽田に国際便が流れていくのだろうか? その場合、羽田行きのシャトルバスは「どれくらい予定通りに着くのだろうか?」

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小倉(こくら)入

思っていたより大きな街だ。


11日Sat.

チリでビールと言ったらCorona beer:

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でも本当はメキシコのビール。


10日Fri.

Far Side-lobe Analysis III

太陽のシグナルをシミュレートすることは、容易である。 次の2つの情報を持っていれば良い:

  • far side-lobeの分布
  • 望遠鏡のpointing情報

これにより、数千時間におよぶ観測の全てにおいて、 far side-lobe経由の太陽のシグナルを時系列として再現することが可能である。 この時系列データを通常の解析同様に処理することで、map上、 最終的にはPower Spectrum上での影響を評価することが出来る。

実際にQUIETではよりコンザーバティブに、 Far side-lobeによる太陽のシグナル再現した上で、 実際のデータ解析に使っている太陽用のデータカットを適応し、 それでも落としきれない影響を見積もることを想定している。


この様な解析はWMAPでも行われており、以下の論文が参考になる:


最近の仕事風景

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ねこ土下座


09日Thu.

学術の大型施設計画・大規模研究計画

CMBの話は、、、無い!

  • うーん、そうかー。こういうの見ると、やっぱ壁を感じるね。 -- コマツ 2010-09-11 (土) 15:14:12
  • 残念です・・・。 -- チノネ 2010-09-14 (火) 18:57:07

08日Wed.

Far Side-lobe Analysis II

Far Side-lobeの影響は、

  • ray tracingによるシミュレーション
  • 実際の測定
  • データによる測定

によって調べられる。

ray tracingによる測定では、光学シミュレーションソフトウェアを使い、適当な近似のもとでシミュレーションを行う。 光学系全体(主鏡、副鏡は勿論グラウンドシールド等も)をモデリングを行う。 そのモデルに対して、あらゆる方向から光を入射(放射)させることで、 どの方向からどれぐらいの光が焦点面に入射するのかを調べる。

実際の測定では、例えばQUIETの様な地上実験であれば、 サイトに望遠鏡を設置後、ノイズソースを使ってその詳細をマッピングすることが行われている。 実際の観測に用いられるエレクトロニクス、検出器を使ってデータを取得できるので、より現実的な測定である。

データによる測定は、実際の観測データから測定を行う意味で、最もらしい方法である。 CMBの場合、空の上で最も明るい天体は太陽である。太陽に比べれば小さいが、月もまた高強度マイクロ波源である。 この様な、マイクロ波源をfar side-lobeのソースと考える。 すると、視線方向とマイクロ波源との相対的な位置関係が、far side-lobeの位置関係に対応することになる。 一般的なCMBの解析でマップを作る際は、 天文学的な座標系(galactic or equatorial coordinate system)を使う。 こうすることで、CMB(や天体の)の空間分布を調べることが可能となる。 一方で、far side-lobeのマップを作る際には、 視線方向とマイクロ波源の位置で決まる座標系を考えることになる。 実際の観測データのfar side-lobeの影響は、この座標系で最も顕著に見える。

far side-lobeの影響が十分強ければ、 短い時間スケールのデータを使い天文学的座標計上で作られたマップからその影響を調べることが可能である。 しかしながら、天文学的座標系とfar side-lobeの位置、 つまりマイクロ波源と視線方向の相対的な位置関係は常に一定ではない。 その為、長い時間スケール(=データの量が増えS/Nを増やそうとする試み)のデータを使い天文学的座標系で作成されたマップでは、 far side-lobeの影響は見えなくなってしまう恐れがある。 QUIETの場合、極少数ではあるが約1時間の観測によるマップ上でfar side-lobeの存在が確認されている。 一方で、全てのデータを足し合わせたマップ上では、 その影響を確認することが出来ない*1。 しかしながら、far side-lobeによってマイクロ波源を「拾って」しまっている影響は確かに存在する。 それが本当に十分小さいものなのか、それとも系統的にCMBに影響を与えているのか調べなければならない。


先ず重要なのは、ray tracingによるシミュレーション測定、実際の測定、データによる測定結果が一致していることである。 ただしそれぞれの方法には制限もあるため、必ずしもすべてが一致する必要は無い シミュレーションはあくまで光学モデル上の話であり、実際の測定は偏光ではなくて温度による測定であったり。

では、実際の影響を調べるのにはどうしたら良いのであろうか? シミュレーションによる推定が、理にかなっている。

3つの測定からside-lobeの空間分布を得ている。 一方で、ある時刻での望遠鏡の視線方向と、マイクロ波源との相対的な位置関係も計算することが可能である。 side-lobeの情報を使うことで、ある瞬間にどれだけの光がfar side-lobeを通じて検出器に入ってくるのかを、 シミュレートすることが出来るのである。 この影響を実際の観測に即したモンテカルロシミュレーションに組み込むことで、 「far side-lobeを通じて入射して来た光による系統的な影響」を調べることが可能である。


07日Tue.

ACT results


r < 0.19 at 95% CL for ACT+WMAP+BAO+H0
With ACT combined with WMAP we now find
r < 0.25 (95% CL)
for the CMB temperature anisotropy power spectrum alone

談話会

10/18(月)私の誕生日に、東北大学天文でD論中間発表会を行います。

  • きれいになった大輪講でがんばってきてください -- 2010-09-07 (火) 19:42:42
  • yes! -- チノネ 2010-09-08 (水) 01:34:08

Far Side-lobe Analysis I

今までQUIETでは、較正解析、データセレクション、そしてシステマティックエラー解析を行って来た。 私自身もそれぞれの解析に於いて、解析を行ってきた。

ここでは、2010年JPS秋学会での発表を念頭に、Far (Sun) Side-lobeについて考える。


当然であるが、CMBを観測する際には何らかの光学系を用いて、集光する必要がある。 望遠鏡は、光学系が向いているある決められた方向の、決められた角度領域の光を集光している。

この集光している角度範囲を(main) beam widthといい、「大体」lambda/dで決まる。 ここでdは望遠鏡の口径、lambdaは波長である。

一般的な望遠鏡・光学系ではmain beam以外にもbeamが存在する。 これをside-lobeと呼ぶ*2。 一般に、main beamの近傍に存在するものをnear side-lobe、遠い角度にあるものをfar side-lobeと呼ぶ。

near side-lobeの場合、例えば、望遠鏡がtop hat型で記述できるのであればsinc functionで記述される。 望遠鏡にうまくテーパー(反射率を中心から外側にかけて、わざと悪くしたりする)をかけることで、 このnear side-lobeを小さくする様なデザインをする場合がある。 実際の解析では、main beamの精密測定をすることで、beamのモデルに組み込んだり、 もしゴーストイメージを作るほど大きなside-lobeがある場合には、そのbeamの領域をマスクする様な解析を行うことになる。

far side-lobeは、望遠鏡(のミラー)で決まるというよりは、光学系全体での迷光で決まるものである。 例えばWMAPの場合、「radiator panel」に反射後、secondary mirrorに入射し検出器にたどり着いてしまうパスが存在する:

wmap_sidelobe.png

この様なパスが存在してしまう結果、引き起こされる問題は何であろうか? それは「Far side-lobe pickup」と呼ばれるものである。 つまり「見てないと思っていたものを見てしまっていた」効果である。 CMB実験では、当然(目的が無い限り)太陽、月、((our) 銀河)といった明るい輻射源をわざと見る様なことはしない。 しかしながらこのfar side-lobeが意図せずに見てしまうことは、十分に考えられる。 何故ならばこのfar side-lobe、ものによっては視線方向のまるで逆方向に存在したりもするからである。 この場合、太陽の影響を最小限にするべく太陽を背に観測をした場合、皮肉にもfar side-lobeで効率よく太陽を観測することになる。

当然、この影響を無視して言い訳は無い。 きちんとシステマティックな解析をして初めて、影響の有無を示すことが出来る。 何らかの解析を以て、きちんとディフェンスする必要がある。


06日Mon.

病院

実は一般公開準備中から、「右下腹部」の痛みに見舞われた。 「右下腹部」の痛みと言ったら「虫垂炎」しかない!

私は、一ヶ月半後にチリに行くことになっているが、標高5,000mで虫垂炎で動けなくなるのは嫌なので、病院に行って来た。 CTスキャンまで受けてしまった。

結果は白で、多分問題無し。血液検査、尿検査、CTスキャンでもその兆候は発見できず。 でも断定は出来ないとのこと(そもそも虫垂炎は、判断を下すのが難しい類いの病気)。 でもまぁ、一応は安心ということで、チリにも行けるし、D論も書けるでしょう・・・。

今回CTスキャンで分かったこと
私の虫垂は上を向いてるっぽい!

なんにせよ、大学で研究中に救急車で運ばれたり、海外出張中の飛行機から病院に運ばれたりは、したくないぁ・・・。


最近の解析

データ解析に於いてシステマティックエラー(系統誤差)の推定は、 統計エラーの推定以上に難しく、かつ実験結果にとっては重要な役割を果たす。 一般に「エラー」というと、統計エラーばかりに注目しがちである。

一方でシステマティックエラーは、難しいが故にそのstudyがおろそかになりがちである。 しかしながら、実験の正否を握るのは、システマティックエラーを如何にコントロールするか、したかだとも言える。 CMB実験においても、システマティックエラーを如何にコントロールし、小さくし、そして正確に見積もることが重要である。

CMB実験では、検出器の精度、検出器の数によって統計エラーを小さくすることが、先ず注目される。 ノイズ等価温度(偏光)と呼ばれる、検出器のノイズの大きさ(500μK sqrt(sec)とか。壱秒間あたりのノイズレベル。)は、 ガウス統計に従う。その為、CMB実験(rの推定は勿論)結果であるAngular Power Spectraの、観測器起源の誤差は、 時間・検出器の数に反比例して減少する*3

現在、観測を行っており、今後すばらしい結果を公表すると期待されているPLANCK衛星を始め、 現行観測している実験、計画中の実験が存在する。 この実験のほとんどにおいて、forecastは「反比例する統計(検出器)ノイズ」で見積もられている。 なおこの評価法はKnoxによって初めて求められた(Knox formulaとか呼ばれたりする。)。*4

knox.png

このforecastは、検出器のノイズがガウシアンであれば正しい。 しかし実際の観測では、

  • ノイズのレベルが観測期間中全てに於いて同じ振る舞いをすることは無く、
  • ゲインは変化してしまったり、
  • 較正が間違っていたり、
  • 地上実験であれば天気は変化するしそれによってノイズレベルは悪くなるし、
  • 空をどのように掃くか、つまりscanの方法による影響を受けたり、
  • Far Side-lobeで銀河中心を拾ってしまったり、太陽・月を見てしまったり、
  • 空の高いところと低いところでは、大気の厚みがかわり、ノイズレベルが変わってしまったり、
  • 右方向にscanする場合と、左方向にスキャンする場合とで「何か」が変化してしまったり、
  • 空の低いところを観測する際に、地面からの反射光を見てしまったり、
  • 検出器に宇宙線が当たり、ゲインがおかしくなってしまったり、
  • 望遠鏡のゆがみにより、擬似的に偏光を作ってしまったり、
  • 温度(揺らぎ)が偏光に「漏れ込む」んでしまったり、
  • 望遠鏡の指向精度が悪いことで、空間的な分布をなましてしまったり、
  • エレクトロニクスにバグがあったり、
  • etc,.

と言った様々な問題があり、当然これの効果は先の評価式に組み込まれていない。 これらの影響を十分に吟味し、検証・評価し、無視できなければシステマティックエラーとして計上することが、 CMB実験の結果を公表する際に重要になってくる。 この吟味、検証、評価、計上の方法として、

  • simulation
  • null test
  • blind analysis

であり、CMB解析の多くの時間がこの箇所に割かれる。 尚、同等に重要なのが、較正解析、ノイズ解析、データセレクションと言ったものである。 これらの解析は独立に存在しているのではなく、互いに綿密に影響を及ぼし合っている。

以上の解析は、実はデータからのAngular Power Spectraを直接見ること無く、実行可能である。 このことは、人間の恣意的な判断により解析が左右されることを防ぐ為に、絶対に守られるべき原則である。 当然我々QUIETでもそうである。

考えられる全ての問題を明らかにして、いよいよ実データのみを使いAngular Power Spectraを直接計算する。 これを「open the box」と呼ぶ。この表現は素粒子実験界隈でよく用いられる*5


研究会: ExDiP2010

http://research.kek.jp/people/hkodama/ExDiP2010/

名称:Extra-Dimension Probe by Cosmophysics
略称:ExDiP2010
ホームページ:http://research.kek.jp/people/hkodama/ExDiP2010/
期間:2010年11月9日(火)〜11月12日(金)
場所:KEKつくばキャンパス 小林ホール
招待講演者:Bobby Samir Acharya (ICTP, Italy),  Vitor Cardoso (IST,Portugal),
           David H. Lyth (Lancaster U.) , Sandip Trivedi (TIFR),
           都丸隆行(KEK), 山口昌弘(東北大),他

05日Sun.

一般公開開催、終了

多くの方々に来て頂き、誠に有り難うございました。皆様にはこの場を借りてお礼申し上げます。

・・・・

中でも、私と(多分)一時間以上に渡り個別にお話しすることになった2~3人の方には、特にお礼を述べたいと思います。 社会学を勉強しておられ、卒業研究の一環で来られていた方や、 いろいろな一般公開に参加しておられ、かなり勉強していらっしゃった方など、こちらも話していてとても楽しかったです。

一時間以上話し込んでしまうことについては、いろいろと問題はあるとは思うのですが、それも「あり」だと私は考えています。 私としても得るものがあった一般公開だったです。 いらっしゃった方々にも、少しでも得るものがあったらのならば、我々としてももうれしいです。

今後もKEK CMBグループをよろしくお願い致します!



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04日Sat.

KEK一般公開準備弐

明日のKEK一般公開2010(KEK OPEN HOUSE 2010)の際には、この看板

kek_open_house_2010_cmb.png

のある施設へ是非。


ところで、

zikannai.png

03日Fri.

KEK一般公開準備壱(日曜日はKEK一般公開!)

KEK一般公開2010 (KEK OPEN HOUSE 2010)

先端計測実験棟(宇宙背景放射観測)

今日はその準備(from 9:30)!

DSC01510.JPG

お待ちしております!


で、研究は

23時のテレコンまで何もやっとらん!ぎゃーす!


02日Thu.


               -― ̄ ̄ ` ―--  _          もうだめぽ 
          , ´  ......... . .   ,   ~  ̄" ー  _ 
        _/...........::::::::::::::::: : : :/ ,r:::::::::::.:::::::::.:: :::.........` 、 
       , ´ : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::::: : ,ヘ ::::::::::::::::::::::: : ヽ 
    ,/:::;;;;;;;| : ::::::::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::: ● ::::::::::::::::: : : :,/ 
   と,-‐ ´ ̄: ::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::r(:::::::::`'::::::::::::::::::::::く 
  (´__  : : :;;:::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::`(::::::::: ,ヘ:::::::::::::::::::::: ヽ 
       ̄ ̄`ヾ_::::::::::::::::::::::し ::::::::::::::::::::::: : ●::::::::::::::::::::::: : : :_> 
          ,_  \:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: `' __:::::::::-‐ ´ 
        (__  ̄~" __ , --‐一~ ̄ ̄ ̄ 
           ̄ ̄ ̄ 
              -― ̄ ̄ ` ―--  _    
          , ´  ......... . .   ,   ~  ̄" ー _     ブッブー  
        _/...........::::::::::::::::: : : :/ ,r:::::::::::.:::::::::.:: :::.........` 、    ブーン 
       , ´ : ::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::::: : ,ヘ ::::::::::::::::::::::: : ヽ      キキー 
    ,/:::;;;;;;;| : ::::::::::::::::::::::::::::::/ /::::::::::::::::::: ● ::::::::::::::::: : : :,/ 
   と,-‐ ´ ̄: ::::::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::r(:::::::::`'::::::::::::::::::::::く 
  (´__  : : :;;:::::::::::::::::::::::::::/ /:::::::::::`(::::::::: ,ヘ:::::::::::::::::::::: ヽ 
       ̄ ̄`ヾ_::::::::::::::::::::::し ::::::::::::::::::::::: :●::::::::::::::::::::::: : : :_> 
          ,_  \:::::_| ̄ ̄ |_::::::::::::::: `' __:::::::::-‐ ´ 
        (__  ̄~" |       | )) ̄ 
                  ̄◎ ̄◎ ̄   

01日Wed.

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*1 当然見えなければ影響は無い、と言う訳ではないのが問題である。
*2 集光、というと光のイメージであるが、結局は電磁波な訳で。この呼称はよく「アンテナ」に用いられる。
*3 検出器のの精度は、時間・数のルートに反比例する。一方でrはパワーで定義される値であるため、その二乗、つまり時間・数に反比例する。
*4 Clのfisher matrixを計算することで求めることが可能!まだ自分の手で計算したことの無い人は、是非計算してみよう!
*5 天文では、、、聞いたこと無い様な、、、。「ここが少し出っ張っているから、カットをきつくしよう!」なんてことが行われている様な、、、。