Diary August, 2012


31日(Fri)

夏の終わり

Galactic haze with Planck

26日(Sun)

最近、起床時間が駄目駄目ですね。

最近の話題

旬は済んでしまいましたが、最近の話題:



22日(Wed)

「解析雑感」について

先日引用した「解析雑感」は、我々が何度も議論してくうちに明らかになった、馬暮陣営*1の主張である。 はっきり言って私の主張とは、全く違っている。この前提が異なっていると、実際に行う解析も異なってくる。

端的に言えば、合わせるべき結果に向けて解析をするのであれば、始めからデータを見てしまえばいいのである。 合わせるべき結果があるにもかかわらず、バイアスを気にしてブラインドな解析を行う必要はない。


「合わせる」解析と書くと、いかにも煽っているように聞こえる。実際、その内容は煽られても仕方がない。 例えば、ゲインのモデルは作ったがその詳細、例えば時間変化、モデルの不確定性、リーケージについては分からない。 例えば、ディテクターがきちんとチューニングされているか、本当にチューニングされているデータを選択出来るかは分からないが、 X ADC sample動いていれば取り敢えず使えるとする。これらのデータ、解析を取り敢えずパイプラインに食わせてみると、 何らかの結果が得られる。このときの彼らの行動は以下のようになるらしい:

  • LCDM modelとコンシステントな結果が得られた。
    • よって、上に書いた危惧、及びその他の「見えない(見ていない)」系統バイアス/誤差は、エラーバーの範囲内で無視出来ることが保証されている。素晴らしい。
  • LCDM modelより10 %大きな結果が得られた。
    • 何らかの効果により10 %バイアスしているらしい。この10 %を押さえ込む/10 %の原因を探る解析を行おう。

我々がQUIETでやった「合わせない」解析ではどうなるか。 例えば、ゲインのモデルを作り、その詳細、例えば時間変化等を詳細に調べ、その原因を調査した。問題が大きいようであれば、 データを落とすなり何らかの対処を行った。こういった事を踏まえた上で、 モデルの不定性等を評価し、この影響がClに与える影響を、実際のClを見る前に計算した。 ゲインに限らず、多くの問題に対し同様な評価を行った。そしてClを計算した結果

  • LCDM modelとコンシステントな結果が得られた。
    • 我々の結果は、誤差の範囲内でLCDM modelと一致している。
  • LCDM modelより10 %大きな結果が得られた。
    • 統計的に見てLCDM modelとコンシステントであると言えるが、何らかの効果により10 %バイアスしている可能性がある。 我々は我々の実験において、このバイアスを説明する明らかな原因を見つける事が出来なかった。 今後の実験により、このバイアスが本当なのか検証する必要がある。

この2つの解析/結果は、明らかに違う。我々はどちらを選択するべきなのか。


現在、POLARBEARが行っている観測は、B-mode検出に特化している。その意味は、fskyがきわめて小さいという事である。 「このような状況」でT, E-modeにサイエンスがないと考える。 例えば、個人的にはell=100-1000でのE-modeは、いくつかの実験によって、LCDMより大きくなっている。これを検証する事は、きわめて大事だと思っている。 しかし、B-mode検出に特化した現在のPOLARBEARでは、これをクレームする能力はない。 よって一億万歩譲り、T, E-modeは「合わせる」解析をする。

では、B-modeはどうであろうか?我々の目標は、世界初のB-mode検出を行う事である。 B-modeを見ながら解析したとして、

  • LCDM modelより10 %大きい。これはleakageか?LCDM modelとの不一致か?
  • LCDM modelより1%大きい。これはE-B mixingか?LCDM modelとの不一致か?
  • LCDM modelより0.1%大きい。これは何だ?まだleakage?まだE-B mixing?それとも、LCDM modelとの不一致か?

にどうやって対処するのだろう?私は、このような解析をしたとして、 結果がバイアスしているか否かに対して、きちんとデフェンス出来る自信が、今はまだない。


我々は目下、発展途上である。議論もまだ終わっていない。意見の対立があるのは仕方がない。同意出来ない事も多くあるかもしれない。 でも、我々の目的はただ一つ、世界初のB-mode検出を行う事である。その為にもベストな解析「方法」を、今後も模索していく。

。。。。。

でも議論ばかりしていても仕方がない。やはりコラボレーションになると、議論だけが好きな人が数名出てくるのは仕方がない事だが、、、。 今この瞬間にもデータはばんばん出てきている。ブラインドの議論の余地がないレベルで、データをばんばん見ていかなければならない。 それこそが本当のCMBデータ解析だと、私は信じている。



気分転換

まぁ、実際、上の様な事ばかり考えていると。気分が滅入ります。自分の主張を真っ向から否定されるとショックです。 私の場合、私だけが否定されるのではなく、QUIET自身が否定される事に繋がりかねない*2

気分が滅入って集中出来ないとき、どうするか。個人的には以下の事を心に留めて居る。

  • 人間の気の持ちようは、脳内物質の分泌でコントロールされている。脳内物質を意図的にコントロール出来れば、気の持ちようも改善する。
  • チロトロピンは、未来に集中する為のホルモンである。未来の自分に期待したときに出で来る。
  • コルチコトロピンは、現在に集中するときのホルモン。今の自分に期待したときに出で来る。
  • ドーパミンは、過去に集中するときのホルモン。過去の充実感の中で、未来へのやる気が生み出されるときに出て来る。
  • これらのホルモンをコントロール出来れば、気の持ちようもコントロール出来る。
  • これらのコントロールの習慣は一週間で定着出来る。

分かる人は分かるかもしれないが、これらは「おおきく振りかぶって」からの引用。「おおきく振りかぶって」は、高校野球にスポーツ科学を取り入れた、新しいタイプの野球マンガ/アニメ。


実際、上の事は分かっちゃ居るがそれでも、、、という事がない訳ではない。そんなときは、マンガでも読んで気分転換でもしましょう:

このマンガ、難しい問題を扱いながらも、ギャグとの絶妙なバランスがすばらしい!?



17日(Sat)

Dinner w/ Boss

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15日(Wed)

http://www.mpia.de/

に繋がらないのは何でだろう(Thu Aug 16 01:30:20 UTC 2012)

mpia.png

  • 一日経ったら繋がった。 -- チノネ 2012-08-17 (金) 02:31:09

DR9: SDSS-III Baryon Oscillation Spectroscopic Survey

遅ればせながら:


  • In the absence of any correction, we find (erroneously) that the probability that f_NL,local is greater than zero, P(f_NL,local >0), is 99.5%.
  • After quantifying and correcting for the systematic bias and including the added uncertainty, we find -92 < f_NL,local < 398 at 95% confidence, and P(f_NL,local >0) = 91.0%.
  • A more conservative approach assumes that we have only learned the k-dependence of the systematic bias and allows any amplitude for the systematic correction; we find that the systematic effect is not fully degenerate with that of f_NL,local, and we determine that -168 < f_NL,local < 364 (at 95% confidence) and P(f_NL,local >0) = 68%.

  • これはQSOが入ってないから制限が弱いけど、QSOを入れるとエラーバーが一気に縮まります。その論文は今執筆中みたいね。 -- コマツ 2012-08-19 (日) 04:29:22
  • なるほど。そちらを待ちたいところです。 -- チノネ 2012-08-19 (日) 15:05:13

解析雑感

ブラインド解析は、パワースペクトラムから先、つまり宇宙論パラメータ推定の際に行えば良い。 パワースペクトラムは、ブラインドすべき最終科学結果ではない 最終科学結果はあくまで宇宙論パラメータであり、それ以前の如何なる解析も、ブラインドで行う必要はない 低レベル解析でパワースペクトラムを操作し、その結果意図する宇宙論パラメータを得る事等不可能である。


「目盛りを調節する」解析、例えばフィルターのレベルを変えたり、データセレクションの閾値を調節することは、 解析者が「望む」結果を得る為にデータを選び出す事と等価である。この影響は、データの分布、自由度に強く依存する。 このような「目盛りを調節する」解析は、正しいデータ解析ではない。 「目盛りを調節する」解析は、それがブラインドであろうとなかろうと、その結果を「怪しい」ものにする。 何故ならば、解析には「調節する目盛り」など存在しないし、してはいけないからである。 我々は「目盛りを調節する」のではなく、データに対するモデルを構築するべきである。 そして、そこには唯一正しい目盛りの位置があるだけである。目盛りを調節する余地はない。

例えば、それぞれのスキャン(左右)に対する、検出器のデータに対するフィルタリングである。 低次の成分は大気成分であり、検出器間で相関している。この成分を落とせば、noise covarianceは理想的となる。「目盛りを調節する」余地はない。これだけである。 ブラインド解析は、このモデル構築を阻害する。何故ならば、ブラインド解析は、唯一正しい目盛り位置を決める事が出来ないからである。

CMB実験と、「目盛りを調節する」ことで、信号領域で零であった信号が急にX個になったりする、非ガウス、少数統計の実験とを混同してはいけない。 そもそも、そのような実験でもブラインド解析は何の役にも立っていない。そのような実験は、ブラインド解析をしたが「箱を開けた後」にわらわらと系統誤差が見つかる例で溢れ返っている。


望ましい結果が出たときに解析をやめる事は、その瞬間に観測者によるバイアスを生む。 ブラインド解析は、アンブラインド解析を行う前に、データをテストせざるを得ない。これは困難を伴う。 そして、ブラインド解析で望ましい解析結果が出た際に、解析をやめる事で新たなバイアスを生んでいる。

アンブラインドな解析は、始めからそのような苦労をせず、系統誤差を検出する事が可能である。 我々は、ブラインド解析をしなくとも、バイアスを含まない解析を行う事が出来るし、新たなバイアスも生まない。 結果を公表する前に、テストすべき問題を網羅さえすればいいのだ。ブラインド解析か否かではない。 むしろ、ブラインド解析は不必要に新たなバイアスを生む解析である。


ベイズ統計: 例えば、我々のパワースペクトラムの上限が、他の実験の三倍だったとする。これは、

  • 我々が解析で(初期の段階で)間違いを犯している
  • 他の実験の結果が間違っている

と考えられる。アンブラインドな解析では、他の実験の結果を事前情報として考慮することで、 ベイズの定理に基づき、正しい解析を行う事が出来る。これはバイアスを生まない。 一方でブラインド解析は、アンブラインドな解析をする事で実現する、様々な問題を発見する機会を、 「ブラインドによる観測者によるバイアス無くす」という無用なものといっしょに捨て去ってしまっている。


ブラインド解析では、致命的な系統誤差、例えば較正誤差を検出する事が出来ない。このように、多くのヌルテストでは、系統誤差を検出する事が出来ない。 何故ならば、ヌルテストの結果から、我々は系統誤差の問題を考察する事が出来ないからだ。一方で、アンブラインドな解析なら可能である。 何故ならば、我々は差を取るべき理論を知っており、それと比較する事が出来るからである。理論からのずれ、それが系統誤差である また、アンブラインドな解析により、実験を無用な脅威から守る事が出来る。例えば、日々アンブラインドな解析をしていれば、 観測天域にある点源をいち早く検出し、より深い観測を他の天域で行う事が出来るようになる。



11日(Sat)

久しぶりの唐揚げ

唐揚げうまうま:

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10日(Fir)

自転車の一団

なんだか分からないが、夜の8-9時頃に、大量の自転車乗りの一団が、私の住んでいる住宅以外付近を疾走していた。何かのイベントだろうか?:

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一団をよく見ていると、スピーカーを引っ張っている自転車が居たり、そこからは大音量の音楽が流れていたりと、、、。そして時々奇声が聞こえてくる。



お隣

お隣さんは順調なのだろうか?

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fNLが発見されてしまうと、地上でlow-ellをターゲットにした実験計画に、何らかの影響が出るのだろうか?


  • 出ない出ない。 -- コマツ 2012-08-11 (土) 15:10:45
  • そう簡単にはならないですよね。杞憂杞憂。 -- チノネ 2012-08-11 (土) 18:03:53

06日(Mon)

保険

救急車の保険適応に手こずっている。「応急処置」の方は保険が適応された(それでもカバーされる金額は、すごく小さい)のに、 同じ日に同じ場所で使ったはずの、救急車の方の保険適応が、「保険会社に問い合わせても、 あなたの保険がこの期間有効でないと連絡を受けた。」と言うことでプロセスされていないらしい。何だろうこの感じ。 アメリカの事務書類手続き不備地獄に巻き込まれている、、、。



05日(Sun)

Go Curiosity !

(惑星探査ばかりにお金が行き過ぎるのはやだけれど、)NASAの惑星探査は素直にすごいので、応援します。


  • 無事着陸。おめでとう! -- チノネ 2012-08-06 (月) 13:58:17

04日(Sat)

アイスコーヒー

最近UCBの北にあるカフェで毎日毎朝アイスコーヒーを買っているが、レジのお姉さんに顔を覚えられて予感。だって、「アイスコーヒーね?」って言われるもの。 たまに、「Do you need room for milk?」みたいな事を聞かれるときは、あまり覚えられていないお姉さん。



03日(Fri)

もう八月!

宿敵

普通に話していると、只の調子のいいおじさんなのだが、最近、宿敵な感じなコラボレータが、巴里から来ている。 今日の解析ミーティングで私のやりたい事を一通り喋った後に、「お前の提案、既にやっている解析は素晴らしいが、同意はしかねる」といったコメント。

彼はアルゴリズム屋である。彼の主張を聞いていると、理想的なデータしか触った事のなかった(綺麗なデータしか触った事のなかった)、修士の頃の自分を思い出す。 『素晴らしい手法、アルゴリズムを使えば、どんなデータでも、素晴らしく解析出来るのである!』 私は、QUIETで地上実験の「現実」を見てしまったので、現実に即した解析を提案している。今後どう詰めていくべきか。



最近

最近ミーティングで喋りすぎな予感。出し惜しみした方が良いか。焦らすのも技の打。というか、皆raw data見ようぜ。




*1 といっても、、、
*2 本当に「そもそもブラインド解析に疑念がある。そしてブラインド解析を行っている、QUIETの解析には、大きな疑念がある。」と真っ向から言われ、ミーティングで言われると、ショックではあるが、それ以上にカチンと来る。